仏陀曰く「欲望が苦を生みだす」の意味とは?
宗教界の二大巨匠と言えば仏陀とキリストですよね。本日はそんな宗教界の二大巨匠のひとり「仏陀」の教えについて、ちょっと考察してみたいと思います。
仏陀曰く「煩悩が苦を生みだす」
煩悩とは、ようするに人間が誰しも生まれながらに持つ「心身を乱し悩ませる欲望や執着」のことじゃよね。
「欲望が苦を生みだす」
たしかに言えてますよね。
「あれがしたい、これが欲しい、ああなりたいこうなりたい…」人は誰しも現在よりさらなる高見を求めるものですが、いくら努力しても、いくら頑張っても、それらの欲望が達成されないこともあります。そんな時、心の中に苦しみが生まれるものです。
私らむらむ爺も、今現在ただボ~ッとしているだけで平安な状態なのに、わざわざ「あっ!?時間があるからついでに部屋の片づけでもしよう!」なんてことになって、あれこれ部屋をお片付けしていたら、収拾がつかなくなって自分で勝手に「あー!もう!」なんて気分になって苦しみを生みだしたり…なんてことが多々あります。
そこで仏陀曰く「欲望や執着といった煩悩から自分を解放することが覚りへの道」とおっしゃってるわけなんですが、自分の中から全ての煩悩を消し去るなんて、ちょっと難し過ぎますよね?
そもそも人間は1日2~3回なんらかの食物を摂取し続けなければ死んでまいますし、夜には眠くもなりますし、愛する人と愛の営みも子孫繁栄のために大切なことです。いわゆる食欲性欲睡眠欲、これら人間の3大欲求を自分の中から消し去るなんてことは、ぶっちゃけ不可能じゃよね?
「私はお腹が空きました…しかし食欲も煩悩なので、そんな煩悩に惑わされないために、私はもう何も食べません」
これではやがて死んでしまいますし、
「眠くなるのも欲望…私はこれからずっと起きてます」
なんてことにトライしたら数日で頭がテンパってしまうものじゃよね。
「仏陀さんも随分無茶言いますな!?」って話ですが、これらはあくまでも極論でありまして、仏陀の本意を私らむらむ爺的に解釈しますと、そんな無茶な話ではありません。
この世は「諸行無常」です。ちなみに諸行無常とは「この世に存在する全ての万物は常に変化してゆき、やがては消滅してしまう」というこの世の真理なのですが、そんな諸行無常の世の中において、私たちも老いや死は避けてはとおれません。また、やがて訪れる愛する人との現生での別れ…などなど、深刻に考えてしまうと人生って残酷過ぎますよね。
よって誰もが「なるだけ健康でありたい」「長生きしたい」「もっと若々しくありたい」「そのためにもお金持ちになりたい」などと願うわけですが、いくら抵抗しても年月と共に人間は老化していくものです。これはこの世の法則みたいなものなので、約40年前は少年だった私が今やジジイ界限定の少年になってしまったように、誰も逃れることはできません。
さらには毎日お腹も空くし、毎日ご飯を食べるためにはお金も必要だし、お金を稼ぐためにはなんらかの労働をしなければならないし、安眠するためには快適に眠れるお部屋と寝具なども必要になります。またそのためになるべくお金を稼ぎたと思うものです。
仏陀はそれらを否定しているわけではないと思います。それらの人間が生まれながらにして持ち合わせる様々な煩悩、いわゆる欲望や執着に対して、
「心を振り回されない!」「飲み込まれてしまわない!」
ことが大事だと言っておられるんだと、私らむらむ爺は解釈しております。
人間は欲望と共にあって当然である。あれが欲しい、ああなりたいこうなりたい、ああしたいこうしたい。誰もが願うものです。なぜなら私たちはそもそもそういう創りで生まれてきているのですから。またそもそも仏陀の覚りにしても「生の苦しみから解放されたい」という欲望から始まっているわけですから。しかし、だからと言って、それらの欲望の虜になってしまってはいけない。心を奪われてしまってはいけない。といったことを仏陀は言っておられるんじゃよね。
夢や希望は生きる力にもなります。
お金持ちになりたいのなら、お金持ちを目指せばいいし、異性にモテたいならお洒落するのも大いによろしい。ただし人間の欲望には際限がないので、あまり欲張り過ぎると、自分を傷つけたり、人を傷つけたり、強いては地球を傷つけたりすることにもなる。自分の欲望や煩悩に心を支配されることなく、あくまでも視野を広く保ち心のバランスを取りながら、上手に付き合うことが大事なんだと思います。
「欲望はたしかに心に苦しみを生みだす。ただし時に生きる希望にもなる」
「また欲望は地球環境を破壊してしまう原動力にもなる。ただし世界を救う力にもなる」
くれぐれも取り扱いには要注意ということじゃよね。
ホントこの世はある意味、いろいろと残酷じゃが、まずはそんな人生にまつわる様々な無慈悲な諸行を受け入れて、またいらぬ欲望に振り回され過ぎないことが、人生を楽に生きてゆくための、ひとつの大事なコツだと私らむらむ爺は思うのであります。
皆さん、ハブアワンダフルウイ~クエンド!